第5章

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「そうだな、一本背負いで地中深くまで叩きつけるか、巴投げで宇宙まで吹っ飛ばすか、だな」 「お前やったらホンマにやりそうやな」 「当然だ。あの妄想中毒の変態め……次は必ず仕留める」 誰に向けての言葉かは解らないが、ニヤリと何かを企むように笑う荒川に、無関係の俺まで背筋に悪寒が走った。 力ではコイツに敵わへんからな、俺。 ケンカになっても荒川が手加減しとんのが解るし。 そうか、身体を鍛えるのも有りやな。 いやいや、俺そこらの一般人よりはケンカ出来る方やで? 何でナル相手には抵抗出来ひんねん。 やっぱ問題は、ナルのあの魔性の声やな。 「ありがとな、荒川。参考にはならんかったけど」 「参考にするつもりだったのか?」 「いや、それは……言葉のアヤや!」 荒川の視線から逃れるように枕に顔を埋めるが、ジリジリと後頭部に視線が突き刺さる気配がする。 .
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