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うぅ・・・、ここは、どこだろう・・・。覚えている事は、自分の持っているポケモンが瀕死のドンメルって事だけだ。分かる事は、自分の体が言う事を聞かないという事と、寒い、という事だけだ。
あぁ、ダメだ・・・もう、死ぬのかな・・・?
意識を失う直前、年老いた老人や少し癖毛の女の人、ドンメルと僕が山を歩いている姿が見えた。何も思い出せないけど、多分、これが走馬灯ってやつなんだろうな・・・。
僕は、ここで・・・。
「カガリ様!こんな所で子供が倒れていますっ!」
「子供・・・?」
その子供を見た途端、カガリは何とも言えぬような、今までに見せたことのない表情を浮かべた。
「カガリ様、どうしますか・・・?」
「・・・・・・」
「放っておく訳にはいきませんよ!連れて行きましょう!」
「・・・わか・・・った」
どこか、連れて行くのを躊躇っているような、そうでないような・・・この時の彼等はカガリの異変には全く気が付いてはいなかった。
―マグマ団アジト―
「うっ・・・」
「ウヒョヒョ、やっとお目覚めか」
「・・・ここは?」
目を覚ました僕が見たのは赤い服を纏った二人の男女の姿だった。
「ここはマグマ団のアジトだ。お前はえんとつ山でぶっ倒れてたのさ。俺達はお前の命の恩人だ」
「ちょっと、恩着せがましいよ・・・」
カガリの言葉を無視してホムラは続けた。
「ウヒョヒョ、お前、名前はなんて言うんだ?」
少年はしばらく悩んで、それから下を向いたままになった。
「アンタ、記憶喪失なのかい・・・?」
カガリが問いを発すると少年は少しだけ頷いた。
「ウヒョヒョ!なら俺達が面倒をみてやるよ!ただし、お前は俺たちの仲間になるんだ。いいな!?」
「ホムラ!」
「ウヒョ?どうしたんだお前。なんか変だぞ!?まさか一目惚れでもしたんじゃねぇだろうな・・・」
「違うよ・・・」
「ウヒョヒョ、まぁいいや。コイツが記憶を取り戻すまでの間、コイツの面倒は・・・お前が見ろ、カガリ」
「・・・わかったよ」
「ところで、あんた名前思い出せないんだったね」
「は、はい・・・」
「じ、じゃぁ・・・フェンって、どうだい?」
「ウヒョ?フェン?なんじゃそりゃ」
「あんたは黙ってなさいよ」
カガリは「どうだい?」と言い、少年はその名前を受け入れた。
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