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日本のどこかの屋敷。
男はグラスにワインを注ぎながら、窓の外に視線を移す。気のせいか幾つかの星が一際強く輝いたように見えた。
「あくまで、お前は私に抗おうというのか……その諦めの悪さは誰に似てしまったんだ」
ふと、自分の手が冷たい事に気づいて下を見るといつの間にやらワインがグラスの許容量を越えて零れてしまっていた。
「いいさ、やれるだけやってみるんだな……ただし、私も容赦はしない。それでもやるのか……?」
男はワインを飲みながら眼を細めて回想する。一人の女が自分に向ける、強くて真っ直ぐな瞳を
「答えは既に出ているという訳かーースイレン」
男はワインを飲み干して屋敷を眺める。自分の他に誰もいない、そんな空間には何故か複数の棺が置いており蓋は外れていた
「英雄達の負の遺産……この世界を壊滅させた次の目的を変更しよう。スイレン、彼女の希望を……断て」
棺に手を添えながら笑いつつ、男は念じるように力を掌に込める。
これで、日本中に散らばった負の遺産達は彼女の希望を断とうとするだろうか?それとも、自分すら殺して下克上を狙うか?
どっちでもいい、どちらにしろ……退屈はしないだろう
屋敷の外で満天の星空を眺めながら、男は静かに笑った。
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