3章 この世界の人々

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輝は外に出ると先程初瀬と会った場所、村の入り口付近に足を運ぶ。 「……お、まだいたか。おーいっ!!」 辺りは暗闇だったが、外灯に照らされた人影が一人、それが初瀬だと確認すると足早に駆け寄る が 「!ーーっ、馬鹿、伏せろっ!!」 初瀬は近づいてきた輝を突飛ばし、自分も地面に勢いよく転がる。輝が初瀬に「何しやがる」と抗議を入れようとした瞬間、先程まで二人がいた場所に何かが突き刺さり小規模の爆発が起こった 「っ、マジかよ。あぶねぇ……サンキュー、初瀬ちゃん!!」 「馴れ馴れしく呼ぶなっ!!早く立て!!」 二人は立ち上がると、目印になってしまう外灯から離れる。突然の状況ではあるが、先程海翔と話した通り、良くない者が街に紛れ込んだのだろうと理解して輝はドライバーを巻く 「変身!!」 「お前……ちっ、変身っ!!」 『Loading・・Change:Ein!』 『Lock on マツボックリアームズ! 一撃!in the shadow!』 暗闇の中で片や赤、片や黄色の眼を光らせた二人の戦士が並び立つ 「一丁仕事といくぜ!!」 「………… 」 アインの決め台詞と共に無数の矢が木々の間から打ち出されて二人を襲う。アインは自前のアインセイバーで受けきるがその威力に少なからず後退を許す 一方で初瀬……黒影は槍方の武器である影松の防御面の狭さ故に走って矢をかわす 「ち、出てきやがれ!!」 暗闇からの無数の狙撃に苛立った黒影が思わず叫ぶ。確かに、これだけ地面にエネルギーの矢が刺さり小規模な爆発が起きれば、流石に住民達も目をさましているだろう ここに来られる前の短期決戦はアインも望む所である 「ほお?良いのかぁ!?姿を見せなかったのは俺の優しさだったんだけどよぉ!?」 一際大きな矢が飛び出して黒影を弾き飛ばすと、木々の間から矢を放った者が姿を現した
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