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「仮にも警察だぞ、ここは」
「まぁ、いいじゃねーの。仕事ねぇんだもんよ。遊びたいお年頃なんだろうな。」
「遊びたいお年頃ってな理由でバズーカ撃たれちゃかなわねぇよ。始末書書かしてやる。」
「あー、そんなん無駄無駄。あのじゃじゃ馬ども、10分たりともその場に居れないだろうさ」
「縄で縛りつけてでもやらせんだよ。」
「縄?」
「……、」
「……、」ふー、と木崎は煙を吐く。
「縄が引きちぎられちまって可哀想だ。やめとけ」
「だな。」
あくまでも心配するのは、引きちぎられること確定の縄であり、部下2人のことではない。
(どうせあいつらのことだ。今頃、サボってるに違ェねぇ)
馬鹿共のせいで、禁煙できやしない。
◇
『なんでもやります!』
そんな張り紙が知らない店の壁に貼られている。
でかでかとそう書かれた下には、少し小さな文字で『電球のとっかえ、おつかい、子守、お困りごとならなんなりとご相談ください』と添えられている。
その張り紙の一番下には小さめな地図。一か所だけ赤く塗られていて、そこに矢印が記されている。
「なんでもやりますって、怪し過ぎんだろ。これ貼ったの誰だっつーの!」
「そのほかの部署の調子乗った馬鹿共だろ。そんなんも分かんねぇのか」
「なんで馬鹿にされてんのあたし。にしても暇だなぁ。どーすんよ。今日どこでサボるんよ、3時間も」
「お化け屋敷」
「なんで?チョイスおかしくね?お化け好きだっけ?」
「あれ、お前そういうの無理じゃなかったっけ?」
「それ、高杉さん。あたし好物。惚れるぐらい」
「引く」
「あー、暇だァ」
2人組は街中をぷらぷらと歩き回る。
ちらっと時計を見るとドラマの再放送の時間だ。
だが、今帰るとニコチン中毒の上司がうるさいのが目に見えている。
「テメェら死んで償え」だの「窓直しやがれ」だの「仕事しやがれ」だのやいのやいの。
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