【01】それを女と呼ぶべきか。

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「だが、ドラマの再放送超見てぇ」 「なら録画予約してんぞ」 「マジでか!?テメェも見てんの!?あれ、逆ハーの話だぜ!?」 「録画してたのは高杉さんで俺じゃねぇよ」 「……、」 なんでいい年した大人のしかも男が、女が男に囲まれてるドラマの録画をしてるんだろうか。 超気になる。 そんな表情を読んだかのように「なんでも、ヒロインが高嶺の花ってやつらしく。テメェを指導するために見てるんだと」とぽつり。 「高嶺の花ぁ?ンな女が現実世界にいるわけねぇだろーが。いたら今頃私が彼女にしてんだよ。」 「なんでテメェが落としてんだ。テメェの趣味はお化け屋敷のバケモンと女か」 「長い金髪で毒舌でツンデレの美少女なら、お化けでも裸族でも喜んで」 「女の発言じゃねぇな」 「いやぁ、それほどでもぉ」 後頭部を掻いて照れたように笑う連れが、相変わらず病気なんじゃないかと思うほど変人で困る。 まだぎりぎり20にもなってない女で、童顔なせいで見た目だけじゃ15,6歳ぐらい。 口さえ開かないで清楚キャラを演じてれば、それなりに上玉なのだが。口を開けばアウト。 しかも本人曰く好きなタイプは「金髪の毒舌のツンデレ美女」とのこと。 そして一番厄介なのは、女扱いをするとキレること。 尤も、こんな変人を女扱いできるほど宗像の心は広くないのだが。 「ってか、なんで隣歩いてんだ。どっかいけ」 「どっかいけってヒデェなぁ。どっかいけねぇから隣歩いてんだよ」 「アリの巣でも観察してやがれ」 「アリは好きじゃねぇもん。ちっこいんだよ、あいつら」 「アリに恨みでもあんのか。」 「喧嘩売ったら、咬まれた」 どうやらアリに負けたらしい。 きっと子供の頃の話だろう。きっとそうだ。そうに違いない。というか、そうであってほしい。 無邪気にアリの観察とかする4,5歳の頃の話に違いない。 「どーすっかなぁ。このまま戻ったらニコチンがうるせぇだろうし。」 「解決策が1こあるぜ」 「おぉ!さーっすが宗像クン!お姉さんに教えてみ?」 「テメェが事件起こせ」 「テメェをぶん殴って傷害事件起こしてやらァ」 「上等だ。木端微塵にしてやらァ」 仕事をせず、いがみ合うのが奴らの日常である。
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