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「だが、ドラマの再放送超見てぇ」
「なら録画予約してんぞ」
「マジでか!?テメェも見てんの!?あれ、逆ハーの話だぜ!?」
「録画してたのは高杉さんで俺じゃねぇよ」
「……、」
なんでいい年した大人のしかも男が、女が男に囲まれてるドラマの録画をしてるんだろうか。
超気になる。
そんな表情を読んだかのように「なんでも、ヒロインが高嶺の花ってやつらしく。テメェを指導するために見てるんだと」とぽつり。
「高嶺の花ぁ?ンな女が現実世界にいるわけねぇだろーが。いたら今頃私が彼女にしてんだよ。」
「なんでテメェが落としてんだ。テメェの趣味はお化け屋敷のバケモンと女か」
「長い金髪で毒舌でツンデレの美少女なら、お化けでも裸族でも喜んで」
「女の発言じゃねぇな」
「いやぁ、それほどでもぉ」
後頭部を掻いて照れたように笑う連れが、相変わらず病気なんじゃないかと思うほど変人で困る。
まだぎりぎり20にもなってない女で、童顔なせいで見た目だけじゃ15,6歳ぐらい。
口さえ開かないで清楚キャラを演じてれば、それなりに上玉なのだが。口を開けばアウト。
しかも本人曰く好きなタイプは「金髪の毒舌のツンデレ美女」とのこと。
そして一番厄介なのは、女扱いをするとキレること。
尤も、こんな変人を女扱いできるほど宗像の心は広くないのだが。
「ってか、なんで隣歩いてんだ。どっかいけ」
「どっかいけってヒデェなぁ。どっかいけねぇから隣歩いてんだよ」
「アリの巣でも観察してやがれ」
「アリは好きじゃねぇもん。ちっこいんだよ、あいつら」
「アリに恨みでもあんのか。」
「喧嘩売ったら、咬まれた」
どうやらアリに負けたらしい。
きっと子供の頃の話だろう。きっとそうだ。そうに違いない。というか、そうであってほしい。
無邪気にアリの観察とかする4,5歳の頃の話に違いない。
「どーすっかなぁ。このまま戻ったらニコチンがうるせぇだろうし。」
「解決策が1こあるぜ」
「おぉ!さーっすが宗像クン!お姉さんに教えてみ?」
「テメェが事件起こせ」
「テメェをぶん殴って傷害事件起こしてやらァ」
「上等だ。木端微塵にしてやらァ」
仕事をせず、いがみ合うのが奴らの日常である。
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