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なんて正直な男だろう。ハルの鼓動がまた加速した。
でも私を押し倒すことも、キスすることもない。
「いいよホントに。そーいうのナシ」
そして身体を離し、顔を手で隠してしまった。
いま絶対に赤面してる!
私が顔を覗こうとしたら、さらに身をひねって逃げる。きっと照れてる顔、見せまいとしてるんだ。
「誘惑するのも………ナシね?」
うーー、やっぱりハル可愛いよ!
最初、草系とか思ってごめんよ。
よく考えたら、あんなガラの悪い酔っぱらい2人に、ひとりで立ち向かってくれたんだよね……。
「ありがと。ゴメンね」
え?っと、ハルが怪訝な顔したから上を向いて誤魔化した。と、そこに白い天井があった。
いまこの時、日本中にある同じような天井の下で、どれだけの数の人間が、こうして他愛なく笑っているんだろう………
つい昨日まで、私には想像もつかない世界だった。
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