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「ううっ…うっ…?」
ゴツン、ゴツンと頭に軽い痛みを感じて、思いきり顔をしかめた。ゆっくり瞼を開くと、夢から覚醒。
「…いったぁいっ…!?」
布団からモゾっと上半身を起こす。まだ寝ぼけ眼であたりをキョロキョロ見回した。
そうだ、夕べお風呂のあと、リビングに布団をひいてここに1人で寝たんだ。
窓からは雲ひとつない青空が見えた。
室内は燦々と明るい。
あれ朝?てか何時よ?
壁に掛けられた時計に目をやると、短い針は12を、長い針は7を指していた。
つまり………12:35!?
一瞬で頭が目覚めた。
朝どころかお昼じゃん!
ハルは!?
「いつまで寝てんだ?このバカ」
「……ーーっ!?」
急に声をかけられて、飛び上がるくらい驚いた。敷いていた布団の後ろにハルが立っていたんだ。全然気がつかなかった。
「ゴメン…っ」
すると、ハルは首を捻って「ハァ?」と冷たく言った。なんだか昨日とだいぶ感じが違う。
「誰がハルだ、よく見ろ?」
「ええ?」
言われ通りにじっと顔を見つめた。確かにハルだ間違いないよ。
でも、やっぱり夕べとはかなり雰囲気が違う。特に目付き。まるで別人に見える。
「ハル……?」
私が理解できないでいると、この『彼』はあきれ顔で息を吐いた。
「オレはアイツの弟」
「ーーっ!弟!?でも顔が…!?」
「アイツ双子だって言わなかったのか?」
私はますます混乱に陥った。
そんな、こんなにそっくりなのに別人?
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