ペットの条件

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「わ!双子って見るの初めてで!テレビでならあるけど本物は、」 「どこの田舎モンだよ、どーでもいいけど早く起きろ。邪魔」 ハルの弟は、本当にどうでもいいって顔で野良猫を追い払うようにいい放った。顔はハルそのものなのに、あまりのギャップで呆然自失。 しばしぼうっとしてると、睨まれた気がして急いで布団から出てそれをたたむ。 弟って瓜二つなのに性格は全然似てねー! 本当っムカつく!顔がハルじゃなきゃ殴ってやりたいわ。 布団をたたみつつ、弟をチラ見すとソファで寛いでいた。細く長い脚を組み、それを見せつけるように。 身長も体格も同じだけど、やっぱりハルじゃないね。うん。ああいう座り方はハルっぽくないもんな。 弟は、不思議なことに、微動だにせず何もない空中を見つめている。まるでそこに何かがあるように。 「コーヒー」 ちょうど布団をしまった途端に、前方をむいたままで弟が言った。 頭に目でもついてんのかと思う。 しかもあまりに突然、それでいて当然のように要求され固る。 「コ、コーヒー??」 反芻すると、ここでゆっくり私を睨んだ。 「淹れろって言ってンの」 迫力に負けて慌ててキッチンに向かう。 なんだコイツ本格的にムカつく!!態度でかっ!!これがハルの弟!?ホントに同じ血が流れてるの!? てかハルはどこ行っちゃったの!? まだズキズキする頭を擦ってると、弟の白眼視が厳しさを増した。 ここは対面式キッチンだから、ソファとちょうど向かい合うんだ。 「たま。いまオレの悪口言ったろ」 「言ってないし!てか何で私の名前…」 「朝アイツに全部きいた。野良ネコ拾ったって」 「あのォ、ハルはどこに?」 「さあね。寂しい?」 意味深にニヤッと笑う顔がまたむかつく。 「それでお前、…ペットなんだろ?」 無駄のない動作でソファから立ち上がると、傍ににじり寄ってきた。
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