ペットの条件

10/10
66人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「1人でずっと買い物してたの?」 ハルがくれた沢山の服を鏡でチェックしながら訊くと、ハルは首を振った。 「買い物っていうか大学に寄ったついでに」 「大学?お正月から?」 「まあちょっと。研究室とか色々やることあってね」 け、研究室?? てかハルって大学生だったんだ。それにしてもお金持ちだな。 「そうだ弟くんと話したよ。双子だったんだね!もうビックリしたよ!あの人も大学生なの?」 私は白のワンピースを身体に当てると、ポーズを作ってみた。 「びっくりさせようと思って。アイツは夜の仕事してるよ」 「夜の仕事?」 反芻すとハルの声のトーンが落ちた。 「ホストって知ってるかな?」 「ああ、あれね。知ってる!」 女にお酒飲ませて大金巻き上げるやつだ。うん、アイツにピッタリかも。 そう思った時、唇に熱を感じた。急に響のキスを思い出したんだ。 「アイツ、照れ屋でちょっと毒舌なところあるけど、根は優しいから」 「…………(ちょっと?根は優しい?)あはははは…」
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!