moratorium

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その夜は前日同様リビングでひとり寝た。 目覚めると時刻は朝の9時半だった。 7時にセットしたはずのアラームは止まってる。どうやら無意識に止めて二度寝しちゃったみたい。大失敗だ。 人気のない室内。キッチンへ足を運ぶと、ダイニングテーブルの上に達筆な字で書かれたメモを見つけた。 『出かけてくる。夕方には戻るね。 ハル』 昨日、私が寂しがったから今日はメモを残してくれたんだ。起こしてくれていいのに! カーテン越しに太陽のひかりが燦々と射 しこんでる。蒼天の麗らかな小春日和ってやつか。 それにしても、こんな朝っぱらからどこ行ったの?まさか女!?デートってやつかな……? 洗顔をすませ、敷いていた布団を上げた。そして冷蔵庫をあけて、卵とベーコンに手を伸ばしす。 朝食の目玉焼きを焼いてる間も、食べてる間も頭からハルが離れない。 あんなに優しくてカッコいいんだもん。女の子がほっとかないよ。それにハルって押しに弱そうだし。あー!やだやだっ! こうしてる間に女の子と笑ってるんじゃないかと、自分の勝手な想像に嫉妬してモヤモヤしていた。 でもそれと同時に、部屋で寝てる響の事も気になった。いま家に2人きりだ。
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