ぎ、わ、く。

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「それじゃあ、行ってくるね」 「行ってらっしゃい!はやく帰ってきてね!」 マンションの玄関で、大学に行くハルを見送る。本当はずっといてほしいけどそれは言えない。 でもなんだかこのやり取りって、新婚さんってやつみたいじゃない? これでちゅうでもあれば最高! でもハルはしてくれないもんな。 寂しさと葛藤からつい甘えて、どんっとハルの細い背中に頭突きした。 「痛てッ!…もう、ホントにたまは石頭だなぁ」 苦笑いを浮かべると、ハルは手を振ってドアの外へ消えた。 もう、本当ハルってかわいい。 あの"THE・俺様"の響とは大違い。 本当に同じ血が流れてるのかと思う。 鍵を閉めると、私は響の部屋を静かに素通りしてリビングに戻った。睡眠を邪魔したら、あとでどんな嫌みを言われることか。 夜の仕事をしてる響と、大学生のハルは生活の時間帯が合わないので、いつもこうしてすれ違いだ。
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