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「わっ……!!」
後ろに向かってUターンした先にはどうやら人がいたようだ。
背が高いようで、目の前にはシャツのボタンしか目に入らない。
ど、どうしよう。どうしよう。
初対面の人。ヒト。
えっと、まず謝らなきゃ!えっと…
「すみませ…!」
「フルーツサンド。生クリーム多めで。生クリーム、多めで。」
ん?
「うわ、ホントに来たのかよ…」
と、渋い顔する東金さんを見る。
え、ぶつかったこのヒト、どうなってるの?
かなり強くぶつかったけど、あれ?僕ぶつかった、よね?ぶつかってない?ん?
でも無反応だし、え、かえっていいのかな?あれ
?
「てかまずお前、田中ちゃんパニクってるじゃねーか…反応したれよ」
チラ、とぶつかったヒトが僕を見下ろす。
「…」
「…」
フイッ
顔、逸らされた?
なに、この人、なに!?
いや、僕にはキャパオーバーだ。
謝ってとっとと帰ろう。
「すみま「あんたさぁ」…」
「生クリームに勝てんの?」
そう言ってジロリと睨まれた。
「ヒッ!」
なに、この人!!
無理無理、僕には、なにがどうしたらいいのか分かんない!
生クリームに勝てる?
生クリームって、勝負するもの?
頭から煙が出る前に、ペコッ頭を下げてから会社へ逃げ込んだ
なに!
なに!?
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