プロローグ

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「ねぇ、お願い。母さんを悲しませないで」 やめてくれ 「いい子ね、母さん、貴方が大好きよ」 ちがう、 「さぁ、そのお顔を見せて、いいじゃない、なんにも、可笑しくないわ」 ちがうっ!それはっ 「ねえ、 はやく母さんを受け入れ、て。ねぇ」 まっ、て、くれ 「だいすきよ、***」 っっ!! ガバッと激しい音を起てて起きあがる。 とたんにせり上がる吐き気にトイレに駆け込む。 胃液しか出ない体に何も食べていなかったことを思いだした。 ぼんやりした頭でトイレの水を流し、あぁ、良かったスーツは無事だった。と安堵する。 耳をすませば、付けっぱなしのテレビからニュースキャスターが梅雨入りした事を淡々と述べていた。
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