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「先生…僕は…」
僕は、人に近づけるでしょうか
なんだか、無理な気がしてその先が言えなかった。
「田中くん。君はよく頑張っているよ。
人に近づくと嘔吐していまう事によく向き合い、今では社会で働いている。
試食会を田中くんのご褒美にしてあげてはどうだろう?」
そっと佐藤先生が頭を撫でてくれる。
「辛くなったら帰ればいいさ。君のためのご褒美なんだ、好きにしたらいいよ」
フワリと笑う先生に安心した。
ケーキは食べたい、でももし失礼なことをしたら…
そう思っていたけど、気にせず行っていいよって言われてるみたい。
「有り難うございます。先生、僕、試食会行ってみます」
来週の土曜日。 12時 45分。
忘れないように手帳に残す。
不安は募るけど、行くだけ行ってみようかな
ダメなら途中で帰ろう。
僕の、ご褒美、だから
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