第3話

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ザクッザクッと、雪を踏む音を確認しながら先に歩くタッちゃんの背中を見つめながら着いていく。 私は寒くて肩が上がってしまうのに、カーキ色のダウンジャケットを着て姿勢正しく歩く姿は昔から変わらないな...と思いながら、いつも二人で喋る場所まで辿り着く。 目印になるものなんて殆どないのに二人共わかってしまうのだから、こういう事が自然に出来てしまうのは幼馴染だからだろうな...と嬉しいんだけど新鮮さがないことに、少し複雑な思いでいた。 今日は気温がいつもより低いせいか、はく息が格段に白い気がする。 タッちゃんは私の方を振り返り深呼吸をすると、重たそうに口を開いた。 そして、他愛も無い話なんかしないまま、私は返事を聞くことになる。
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