第3話

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タッちゃんがお見合いをしなくてすむ... 私自身を拒まれたのはショック以外何者でもなかったけれど、それでもまだタッちゃんは結婚もしなければ恋人もいない。 まだ、二人で過ごせる時間はある。 その事実には本当に喜びを隠せないくらいホッとした。 だから、軽口を言える余裕さえも出てくる。 「一緒に行ってもいーよー。 二人でさ、腕でも組んで『付き合ってマース!』って報告しに行こうか?」 タッちゃんに近寄って腕を組むふりをした。 それをいとも簡単にスルーされる私。 伸ばした腕はタッちゃんの両手で掴まれてしまった。 「バーカ。本気の本気にされたらどうすんだよ。 那月と付き合うとかありえねー」 チクチク...心に突き刺さる。 でも、今はホッとしたことの方が勝っているから、その気持ちには目を背けた。
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