第3話

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右上左上、右下左下へと視線をキョロキョロさせた。 タッちゃんは車体は常に綺麗を保っておくくせに、なぜか車内は汚い。 ゴミも溜まってるし、後部座席にはなぜか読みかけの車の雑誌。 そして砂だらけのマット。 一年前と変わっていなくて、ホッとした。 そして元カノの面影が残っているような物があったらどうしようって思ったけれど、そういう気配もない。 ...自分のご都合主義な考え方に嫌気がさすけど、でも正直今心から安心してる。 「お前、腹減ってる?」 タッちゃんがハンドルにもたれながらこっちに顔を向けていた。 今の私の行動見られてたかな? 少し冷や汗が出た。 私は慌てて締める予定で持っていたシートベルトを締めた。
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