第3話

21/36
前へ
/313ページ
次へ
列に並んでホットのブレンドコーヒーとカフェモカと、あとは小腹が空いている私が食べる分のチョコチップマフィンを買った。 テイクアウトだから紙袋で受け取り、タッちゃんが待っている車まで駆け足で戻った。 「か、買って来た…」 少し走っただけで息切れなんて… 車ばっかり乗らないで少しは歩いた方がいいのかもしれない。 「おー、ありがと。 久しぶりだわ、こういう店のコーヒー飲むの」 「…タッちゃん、コーヒー嫌いだっけ?」 「いや、いつも職場でお局のオバちゃんが作ってくれるのなら飲んでる。 普通のインスタントなのに、スゲー自慢気に出してくるの」 その様子がすぐに想像出来て笑ってしまった。 多分、あの人だ。 昔からずっと窓口で働いているオバちゃん。
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1581人が本棚に入れています
本棚に追加