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「・・・・・・・・・・
・・・これ?
君の、だったんだ。」
天賀先輩の声がする。
「・・・・・・・・・・
・・・・・あ!!!!
す、すすすいません
・・・・・!!!!
そそ・・・・
そうなんです・・・・
実は・・・」/////////
私は、どうしても顔が上げられず、
俯いたまま言う。
声が震えて、
どもってしまった。
恥ずかしい!!!
それに、ライブ後で、
髪の毛ボサボサ!!
化粧剥げてる!!
恥ずかしい!!!
ギッとパイプ椅子を引く音がして、
コツコツと、とんがったブーツ独特の
足音が近付いてくる。
たくさん指輪の付いた、
白くて細い指が、
私の青い単語帳を差し出している。
「はい。」
「あ・・・・・ああっっ!!!!
ありがとうござい
・・・・・・・マスッ・・・・」
/////////////////////////////
こんなに先輩の近くに
寄ったのは初めてだ。
その時ふわっと、爽やかな柑橘系に、
甘いバニラの混じった様な、
良い香りがした。
あんなに汗かいてたのに、
くさくないなんて、
やっぱり先輩てすごい!
帰って、単語帳の
いいニオイがする(多分)←
のとこ、
消さなきゃ。
私は、テンパりながらも、
そんな事を考える。
そして帰ろうとするが、
ハッとして、どうしても
これだけは聞いて
おかなくちゃならない
一言を、勇気を出して
聞く。
「あの・・・・・・・」
「ん??」
「中・・・・・・・・・
・・・・見ました??」
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