第1章   青い単語帳

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「・・・・・・・・・・ ・・・これ? 君の、だったんだ。」 天賀先輩の声がする。 「・・・・・・・・・・ ・・・・・あ!!!! す、すすすいません ・・・・・!!!! そそ・・・・ そうなんです・・・・ 実は・・・」///////// 私は、どうしても顔が上げられず、 俯いたまま言う。 声が震えて、 どもってしまった。 恥ずかしい!!! それに、ライブ後で、 髪の毛ボサボサ!! 化粧剥げてる!! 恥ずかしい!!! ギッとパイプ椅子を引く音がして、 コツコツと、とんがったブーツ独特の 足音が近付いてくる。 たくさん指輪の付いた、 白くて細い指が、 私の青い単語帳を差し出している。 「はい。」 「あ・・・・・ああっっ!!!! ありがとうござい ・・・・・・・マスッ・・・・」 ///////////////////////////// こんなに先輩の近くに 寄ったのは初めてだ。 その時ふわっと、爽やかな柑橘系に、 甘いバニラの混じった様な、 良い香りがした。 あんなに汗かいてたのに、 くさくないなんて、 やっぱり先輩てすごい! 帰って、単語帳の いいニオイがする(多分)← のとこ、 消さなきゃ。 私は、テンパりながらも、 そんな事を考える。 そして帰ろうとするが、 ハッとして、どうしても これだけは聞いて おかなくちゃならない 一言を、勇気を出して 聞く。 「あの・・・・・・・」 「ん??」 「中・・・・・・・・・ ・・・・見ました??」
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