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「えっ、今まで全然判らなかったんですか?」
「全く。
マジで?
お前、なんかあったのか?」
「そんな変わりましたか?」
「あの時の子は確か…
ストレートのロングで前髪揃えて、いかにも女の子って格好で…、」
「メガネかけてなくて。」
「そうそう、
今の星野とは別人だと思ってたわ。」
「これでどうですか?」
星野がメガネを外すと、確かにあの時の困ってもじもじしていた女の子が現れた。
「うわ、マジかよ。
確かにおまえだわ。」
「最近、確かに可愛い格好とか面倒くさくてしてないですけど…、
なんかショック。」
「まあ、おれも外見で人を判断するつもりはないけど、これは別。
お前、本当に別人じゃん。
女って恐えなあ。」
「恐くないですよう。」
「悪い悪い。
いや、なんか複雑な心境。」
「ふーん、あたしもなんか少し残念って感じ。
で、今のあたしと話してみて、そげゆきさんはどう思いましたか。」
「それこそ、それ聞くか。」
「はい、是非。」
「正直おれは最初『しつこくて面倒くさい奴』ってところから入ったからってのもあるけど、
趣味の事以外は意外と普通の女の子だなと思った。
それに趣味や嗜好については人それぞれだから、その点はあまり気にしないし理解もできる。」
「それから?」
「おれはあまり外見は気にしない方だと自分で思ってたけど、お前を見て少し変わった。
要するになんかもったいないんじゃないかと。
お前少しいじるとかなりモテるんじゃね?」
「あたしがですか?
あ、でもなんか嬉しいな。
それってあたしの事可愛いって言ってるように聞こえますよ。」
「そうは言ってない。
そうは言ってないけど、
悪い、今日は帰るわ。」
「ごめんなさい、そげゆきさん。
気に障ったなら謝ります。」
「いや、そうじゃないんだ。
だから…」
「じゃあ帰らなくても…」
「それじゃだめなんだ。」
ああ、なんかうまく説明できない。
「ああ、面倒臭え。
こうなったら正直に言うわ。
たぶんこのまま泊まったらおれは星野を襲ってしまいそうだ。
最初は星野なんかにムラムラすることもないだろと思ってたけど、今は自信ない。」
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