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翌日。
登校時、講義のときや学食…とにかく星野と顔を合わせることはなかった。
どこかホッとした感じで『毎日こうだと楽でいいわ』と思った。
付きまとわれて、邪険に扱い断り続けるのもあまり気分のいいものではない。
ところが、次の日もその次の日も星野は現れなかった。
人間とは不思議なもので、いざパッタリ現れなくなると、それはそれで気になってくる。
なんとなく気になってもやもやしてきたので、木曜に部室に行ってみることにした。
いざ顔を合わせても、ちゃんと話して断ればいいわけだし。
部室は閉まっていたが、部室のカギは1年のとき渡されたまままだ返していなかったので、中で待つことにした。
部屋の中は殺風景ではあるものの、前に来たときに比べ
だいぶ落ち着ける空間となっていた。
本棚にも“天文と気象”や“ニュートン”のバックナンバーが並んでいるし、壁には雑誌の切り抜きやコアな先輩の取った星や空の写真がいくつか貼られていた。
おれも基本的には興味がないわけじゃない。
2012年の金環食の写真もあったが、この人は当日わざわざ茨城の鹿島まで行って撮ったようだ。
そんな壁に貼ってある写真を眺めていたら、星野が現れた。
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