あいにくの空模様

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あいにくの空模様

土曜の夕方、集合場所のバーガーマスターにくると、 「そげゆきさん、こっちです。」 と6人がけのテーブルを荷物で占有してる星野がいた。 また、今日は一段とどんくさい格好となっているが、まあ防寒対策を過剰にやるとこうなるって見本みたいなもんだ。 「よかった、来てくれた。」 「おい、来るって言ったら来るだろ。 ん?もう食べてんのか? じゃあ買ってくるわ。」 これから長丁場になるのはわかっているので、いつもより少し多目で注文し、席に戻った。 「ところで、星野さあ、どこで見るか決めてあんの?」 「コンディションがいいなら大きな公園か、畑の畦道か、とにかく灯りがあまりなくて広く見渡せるところがいいんですけど、今回はすぐに避難できるように、うちの近くの公園にしようかと。 少し高台で東南方向は見晴らしが良いんです。」 「で、駅から遠い?」 「はい、少し。 でもバスがあるし。」 「おれ、帰れる?」 「あ、終バスは22時くらいかと。 あ、でもいざとなったら泊まっても構わないですよ。」 「ちょっと待て。 さすがにそれはまずくないか?」 「え、どうして… あ、そうですね、 そうですよね。」 「お前にだって世間体ってもんがあんだろ。」 「ごめんなさい。 あたしっていつも、なんか自分の事しか考えてなくて… そげゆきさんに迷惑ばかりかけてるみたい。」 「まあ、しょうがないか。 昨日の今日で行き当たりばったりでも。」 仮におれが泊まる事になっても、何かが変わることもないだろ。 とりあえず現地へ向かうことにして、菓子パンとつまみとカップ酒を仕入れてバスに乗った。
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