第1章

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「なによ、 失礼しちゃうわね! なーにが『そうですよねえ、 お宅さん、 女の子には用がないでしょうからねえ』よッ! ヒトを勝手にホモ扱いすんじゃないってぇの!!」  それも夕飯時に押しかけて、 すみませんでしたの一言もないんだから、 と、 怒りも収まらないまま、 マンションへ戻ってくる。 「ただいまぁ!」  玄関のドアを開けると、 室内の空気がやけに冷たい。 そろそろ暖房なしでは過ごせなくなる時期だというのに。 「……夏月?」  答える声は、 なかった。  がらんとしたリビングルームには、 誰もいなかった。
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