第1章

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僕の生まれた所。 湯之町のいっかく。 大きなビルに広い駐車場。 遊べる木だってあったんだ。 僕は3人兄弟で一番ちび。 駐車場で3人揃ってお昼寝をしてたんだ。 そしたら、ここに毎日来る人間が僕達の写真をとったんだ。 僕達は猫というらしい。 世間では、のら。ともいうらしい。 でも、ここでは違うんだ。 僕らと同じ。 どこで生まれた。何何猫。なんて選別のない人間ばかりなんだ。 男も女も。毎日来る人間はみんな。 雑種ののらなのかな? 僕達にご飯をくれるんだ。 僕達のお父さんやお母さん。仲間の猫がいっぱい跳ねられて死んでいく。 そんな僕にお守りが出来た。 僕の写真に 猫飛び出し注意! こんな言葉が添えられた。 添えた人間は、いつも悲しい目をしてた。 どうやら僕らと同じ。 親無しになった雑種人間だ。
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