第1章

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僕の知ってるこの町の雑種人間は、みな、流れていく。 どこか悲しいおもいを知って、毎日この町にくる。 行く宛のないような。 寂しい奴等ばっかりで。 血統書人間に頭なんてさげるなんて朝飯前。 僕と同じ。僕らと同じ。 今日のメシとすみかのために。 スリスリ、スリスリ。 ニャーニャーニャーニャー。 でも。 俺達と似てるだろ?だから。この町では、こんなに猫が大切にされるんだろ? 会わせ鏡だからさ。 お前らも。大切にされたいさな。
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