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「あ、はい。わかやびたん」
レグバはスージーの頭の中を覗き、わかりました、と答えた。
二人は少し驚いたような顔をしたが、上等さ、とスージーは親指を立てて見せた。
笑った口元には、韓国女優のような真っ白で完璧な前歯が並んでいた。歯並びのよさは遺伝なのかもしれない。
朝英は黒い島ぞうりをつっかけるように履き、珊瑚の道をじゃりじゃりと歩く。
白いTシャツは首元が少し伸びていた。顎の下には無精ひげが伸びている。
「わっさいびーん」
ごめんね、と言う朝英に、レグバはいや、楽しいご婦人だな、と答える。
「本当、わんも参ってるわけ。あーあ、おばあ、いつまで生きるかね」
レグバはふふっと笑った。朝英が本気で言っているのではないのが分かるからだ。
珊瑚の道に砂が混じり、いつか浜辺に出た。砂浜には根のしっかりした植物が繁茂している。朝英は砂の急勾配を駆け下り、こっちこっち、と木陰にレグバを誘った。
「ここに座ろうかね。さて」
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