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この島に来る少し前。レグバは、モンゴル、馬頭琴の少年の所に現れた。
昔友だちの悪魔から聞いた不思議な話。その話はこの少年からも語られた。
「レグバ先生は魂をたくさん集めて、どうするのですか?」
「それは秘密だ」
まさか悪魔は魂を食らう、と人間には言えない。
「そうですか。秘密かあ。
でもよく僕を見つけられましたね」
「何故?君の声はよく聞こえたぞ」
清潔なパオで少年の家族は暮らしていた。
パオと呼ばれるテント状の家は、隣家と十分距離があるため、少年が馬頭琴の練習を深夜まで続けても文句を言われることはない。
少年は戸外で毎夜練習をしていた。
天井から吊り下げられたような美しい満天の星の下、レグバは音もなく近づき、少年に声をかけた。
「だって僕の名前はネルグイというのだから」
「ネルグイだと何か問題でもあるのか?」
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