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「わんはうちなーを出るの、修学旅行以来二回目さあ」
前夜電話を受けて次ぐ日。
航空席は午前十時発のものが取れた。東京には昼過ぎには到着できるだろう。
警察に拘留されている弟の身柄を受け出しに行くのに、朝英はどこかうきうきとしていた。
だが、服装は前日と色違いの首元が伸びたTシャツと丈の長いハーフパンツ、かろうじて足元は島ぞうりの代わりに白いバスケットシューズ。だが無精髭はそのままだ。
三線は、スージーに説得されて置いてきた。
「で、どうする?にーにーは自力で行けるんだろ?羽田で会うかね?」
「ああ。そうしてもらえると助かる」
悪魔が行動すると厄災が起こる。
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