モンゴル フルンボイル草原

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「去年の冬のことです。ウランバートルから来た人が話を聞かせてくれました。 その島はウチナーというそうです。この国と違って一年中暑く、花が咲き果物が生り、歌と踊りの好きな人々が暮らしているのだそうです」 「ウチナーという島か」 「はい。その話を聞かせてくれた人は、その島の近くで農業を勉強してきたそうです」 「ということは、その人はウチナーに行ったわけではないんだな?」 「はい。でも、その島の曲を歌ってくれました。 ウチナー出身の人と一緒に勉強をしていたそうです。 僕はその人の歌に合わせて、馬頭琴で伴奏をしました」   ネルグイは、馬尾毛でできた二本の弦を弓で弾き、異国のメロディを弾いた。 馬頭琴の郷愁を呼び起こす音色は不思議に明るく夜空に響き渡った。
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