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ねぇ?
上総はいつ私のことを見つけてくれたの?
いつから私を探してくれていたの?
────────あなたを教えて。
「どっか寄る?」
運転席の上総から声が聞こえた。
今は私の実家に挨拶をしに行った帰りで、彼が運転してくれている車の中。
「うーん、どうしよっか」
「メシでも食いに行くか。駅前のいつものとこでいいよな?」
あの事件があった駅前のお店はいつしか二人のお気に入りの場所になっていた。
食事だけじゃなくてバーもあるから軽く飲みたい時に使えるところもいい。
...店長さんもイケメンだし。
ま、これは上総には絶対言えないお店のイイトコだけど。
でもそれは観賞用ってことのイケメンだから。
何を差し置いても、もちろん上総が一番。
愛しの旦那さまだもの。
私を愛してくれているたった一人、唯一の男の人。
「うん、そうしよう。今日はあのお店のビーフシチューが食べたいなー」
本当は二人でワインとか開けたい気分だけど、車で来ちゃったし。
後でどこか寄ってもらってお酒でも買って帰ろうかな。
今日はやっと両家の結婚の了承をもらえた記念日だもの。
ちょっとくらいハメを外したっていいじゃない?
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