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「私も大人げなかったって反省はしてるんです。だけど、謝る勇気がなくて…。素直になれならなくちゃって思うともっとダメになっちゃうんです」
素直にならなくちゃと意気込むと尚更それが空回りして、自分の気持ちが追いつかなくなる。
なんて言って謝ればいいの…。
言葉が見つからない。
「まぁ、素直とかそういうの明子ちゃん苦手だものね。明子ちゃんはどうしたいの?」
「どうしたいって言われても…。とりあえず仲直りはしたいですよ」
「そうよー!早くしないとそれこそ本当に例の本で上総1人でシちゃうかもよ?」
「はっ!?」
箸で摘まんでいたミニトマトがコロンとサラダボウルの中に戻っていってしまった。
「え?だってそのためのそういう本でしょ?」
…そこまで頭回ってなかった。
それもそうだわ。
上総だって健全な成年男性なんだから、1週間も放っておけば相当溜まっちゃう。
実際、
私も溜まってないワケ…じゃない。
上総を見たら触りたいとか、
キスしたいとか、
抱きしめて欲しいとか、
そういうの思っちゃうの。
「あらあら?もしかして明子ちゃんもとか?」
「ち、違いますよっ!」
「ふーん。まぁ、いいけどね。あ、そうだ。今日仕事終わったらヒマ?」
麻里亜さんは何か企んでるような笑みを浮かべてこっちを見つめる。
まるで断るなよ、と言ってるよう。
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