仲直りは真夜中に

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「こ、こんなの着れませんよ!」 「上総を見返したいでしょう?はい、食わず嫌いしないの」 何枚か見繕った麻里亜さんは、店員を呼んで私をフィテングルームに押し込んだ。 彼女が手に取ったのは見事に全てパステルカラーのもので、 ちょっとかわいいって思ってしまった。 「カワイイでしょ?」 「…かわいい」 思わず口から溢れでてた。 はっと我に返って、麻里亜さんの方を見ると彼女はニヤニヤと笑みを浮かべている。 「明子ちゃんの負けね」 「うぅ…」 ここはもう麻里亜さんに従うしかない。 彼女の方が一歩も二歩も上手だった。 はい、と手渡されたものを持って一人カーテンを閉める。 胸の所にぎゅっと握りしめたベビードールをチラリと見る。 よく見ると、これはなんだかんだ言ってもやっぱり色っぽい。 かわいい中にあるエロさというか。 透けるところとか。 なかなか。 こんなの私が着て似合うんだろうか。 「まーだー?」 「え、もうちょっと待ってください!」 麻里亜さんの急かす声に感化されて、その勢いで着替えてしまった。 …? これはアウトでしょ。 「もう、待てない!」 声と同時にカーテンが勢いよく開いた。 「ひぃっ!」 「あら、カワイイ」 お姉さんみたいな間柄の人に下着姿見られた。 それも私よりも明らかにスタイルいい人に。
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