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モヤモヤとした気持ちは中々離れてくれないもので。
彼の部屋に入ると、懐かしい気持ちでいっぱいになった。
鼻腔をくすぐる上総の特有の香り。
同じボディーソープを使ってるはずなのに、こんなに違うものなんだろうか。
ベッドに優しく降ろされて、上総の香りに酔っていた私はやっと我に返った。
自分自身の劣等感と一緒に。
「や、やっぱり今日は止めよう?」
「はぁ!?ここまで俺を誘っておいてそれは無いだろう!」
「だって…。こんな女の子女の子して下着なんて似合ってないでしょう?」
言うつもりはなかったのに、つい言葉にしてしまった。
俯いてただグレーのシーツを見つめるしかできなくて、二人の間に沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは上総の方からで。
あのなぁ!と言う声と共に私の視界はぐるりと回転し、今私の視界いっぱいに広がるのは上総の苦しそうな表情。
「こんなに可愛いのになんでそう言うこと言うんだよ。死ぬほどお前に飢えてんの、分かんない?」
噛みつくように口と口がぴったりと重なり合う。
まるで全ての思考を奪うようなキス。
彼の瞳には獣のような鋭い光が宿っていた。
「んっ…あぁっ」
口だけでは収まらなくなって、上総の唇が身体中を駆け巡る。
1週間ぶりの刺激は想像以上に私の五感をフル稼動させる。
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