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「そんなに目とろーんってさせて、ホントかわいいヤツ」
下着から手を離して、上総は優しく私の頭を撫でる。
愛おしそうに。
撫でる彼の手は大きくて温かい。
「かずさぁ、こないだはごめんねぇ」
その温もりのせいか。
涙腺と緊張が緩んで泣きながら彼に謝っていた。
やっと素直に口から出た『ごめん』の言葉。
1週間あれだけ言うのが難しかった3文字がなんの躊躇いもなく口からこぼれ落ちた。
上総の温もりが私のガチガチに固まった心を溶かしてくれたのだろう。
「なんのごめん?」
「疑ったのと、1週間ろくに一緒に過ごさなかったこと」
「よく言えました。ま、俺にとっては疑われるのよりお前と一緒に寝れなかったことの方が辛かったけどな」
いたずらっ子のように口角をニッと上げて、私のおデコをペシッとデコピンをかます。
「明子がいないとこの部屋無駄に広くて暗くて寂しいんだぞ」
そう言った上総はそっと私を抱き寄せた。
「こんな真夜中だけど、仲直りできてよかった」
耳元でそう囁いた。
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