第1章

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カーンカーンカーン カーンカーンカーン カーンカーンカーン カーンカーンカーン 「おーい、おーい。」 カーンカーンカーン カーンカーンカーン カーンカーンカーン 「おーい、おーい白草(シラクサ) カーンカーン 「ふぅ、なんだい?夜櫛(ヨグシ)騒々しい。」 「おま、なんだいってなぁ。はぁ~。」 「ため息を吐かないでくれ。不幸になる。」 「あー、はいはい。わたくしがわるうございましてよー。」 「本当になんのようなんだい?何もないなら邪魔しないでくれよ。」 「邪魔ってなぁ、お前がアレを飲んでくれれば終わる話なんだよ。」 「またその話かい?残念だけどそれは、無理だよ。僕は、そんなものは飲まないからね。」 「お前!!そんな事したらまた消えちまうじゃねぇか!!」 「消えないよ。」 「そんな事!!」 「げんに私はここに戻された。そして今お前と話している。これほどの証拠はないだろう?」 「それは!!そうだけども…」 「そもそもアレは何なんだい?名前がなく、つける事も許されなければ、勝手に個人的に使う事すら許されない。なのにもかかわらず、必ず飲まなくてはならない。いったいアレとはなんなんだい?」 「それは、神術で生まれた???」 「そもそも神術ってなんなんだい?昔は魔術と呼ばれていたにもかかわらず、時の権力者の解釈でこうも簡単にかえられてしまうものなのかい?」 「それは、お前の方が詳しいだろう?」 「そうだね。けどだからこそ聞いているんだ。いったいアレとはなんなんだい?」 「そもそも神術とは、今の権力者であるデカブツの前までは、魔術と呼ばれていたし、そもそもが悪魔との契約によって行われた術だろう?そしてアレとは、契約によって作れるようになった副産物だろう?」 「そうかもしれないけどよ。」 「そうかもしれない。じゃなくて、そうなんだよ。なんでそんなものに頼るのかな?ん?」 「それは、消えないためじゃないのか?」 「その答えは出てるよ。アレなしでも消えない。そして、アレなしでも生きていける。これは、僕がここにいることが証拠だよ。さて、これておしまいかな。」 「終わったのか?それ。」 「ああ、終わったよ。とても長い時間がかかってしまったけどね。」
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