第1章

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松浦は横向きに寝そべっていて宮倉ににじり寄った。 もうあと少し近付くと唇が重なりそうだった。 「俺はいいけどあんたいいのか?」 そう聞くと松浦は暗いが確かに笑って見えた。 そして宮倉の頬をそっと触って「今日はしないの?」と言った。 甘く艶っぽい声。 流れる空気が変化した。 その手を強く握り「誘ってんのか?」と囁く。 ごくりと喉が鳴る。 松浦は躊躇うことなく「誘ってるよ」と言い口づけした。 触れただけで離れようとした唇に吸い付いた。 割って入る舌先で柔らかくなった粘膜を嘗め回す。 いつもと違う解れた口内はまるで自分に差し出された供物のように柔らかくて甘い。 吐息を漏らしながら受け入れる松浦も舌を伸ばしてきた。 戸惑う舌を可愛らしく思う。 口を吸いながらボタンをすべて外して胸をまさぐる。 小さい突起を摘まむと松浦の喉がひゅっと鳴った。 唇を離し「ここ気持ちいいか?」と耳元で囁けば松浦は喋る息使いにも甘い吐息を漏らし頷いた。 気持ち良くないと言われればじゃあドロドロに溶けるほど良くしてやると火が付くのが男ってもんだ。 しかしかっと頭に血が駆け上がっていく自分をどうにか抑える。 今日は優しくする。 首筋から胸までいたるところに吸い付き指で弄ってもう勃ち上がっている小さく赤い突端にしゃぶりついた。 舌先でぐりぐりと潰すようにすると松浦の背がひくひくと動く。 随分と今日は感度がいい。 いつもなら声を上げ始めるのに時間がかかるのに今日の松浦は最初から甘ったるい声を漏らしている。 もっと聞きたくて両方潰すようにすると「あぁん」と嬌声を上げた松浦は足を絡ませ宮倉に腰を押し付けた。 まだ脱がせてない下はズボン越しにも勃起しているのが分かる。 なんだかんだでセックスの回数だけはある自分達だが松浦が勃起し射精したのを見たのは数度しかない。 宮倉の中で松浦は性欲の薄い、遅漏の気がある男だと認識だったがそうなんだろか? 自分の下で喘いでいる松浦を見ると違うような気がしてきた。
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