第1章

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「分かった」 開いた間に身体を入れて覆い被さるとまたキスをした。 唇を吸いながら後孔にペニスをあてがう。 それだけで腕の中の松浦は震えた。 「宮倉、」 唇を解いた松浦のほんの小声が耳に入る。 「ん?」 「宮倉、好き」 かっときて腰を進めた。 「あぁ、」 中がうねってペニスに吸い付いているようだ。 ぎゅっと抱き締めた身体がペニスが進むたびにぶるぶると震える。 奥まで届くと松浦ははぁっと息を付いた。 「俺も好きだ」 そう囁くと中がぎゅっと締りビクンと震えた。 腹に生暖かい粘液が飛び、下の松浦はぶるぶると震えシーツを握っていた手を離し宮倉の首に回した。 ぎゅっと首筋に顔を押し付けた松浦に堪らなくなって腰を動かす。 「あ、あ、あぁん……」 耳に近い、甘い声を聞きながら血が沸き立つ感覚に宮倉は押し流された。 優しくしようと思っていたのにもう出来なくて激しく腰を振り奥を突いた。 「や、あぁ、あ、あぁ」 「あーだめだ、もういいか?」 返事を聞く余裕はない。 引き抜く動作をすると絡みついてくるそこから抜けるぎりぎりまで腰を引き強く突きあげた。 「ひっ、あ、ああ、」 ぶるりと腰が震え中の粘膜にするつけるようにする。 射精する時の癖だ。 はあはあと息を吐く松浦を抱き締め余韻に浸っていると腕の中に大人しく収まっていた松浦がぽつんと呟いた。 「……いつ、かな?」 「何が?」 「いや、あの……いつ、好きになってくれたのかなって」 そう聞かれて宮倉は首を傾げた。 「いつだろうな」 「分からないの?」 「うーん……最初にセックスした時には好きだったのかもしれないな。そういう気持ちがなきゃ男は抱けない、と思う」 「かもしれない、なんだ」 「がっかりしてんの?」 落胆したように声を落とした松浦を宮倉は抱いた手を強めた。 「時期が必要か?今から先はずっと好きだよ」 そう言うと松浦は頭を動かし宮倉を見た。 「僕も、好きだ」 松浦は胸に顔を擦り付けるようにした。 皮膚がぬるく濡れた感じがして松浦がずずっと鼻を鳴らした。 泣いてるのか、宮倉はそう思ったが気が付かない振りで細い肩をぎゅっと抱きしめた。
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