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「なにそれ」 トイレから戻った松浦が目を見開いた。 「まんぼう」 でっかい紙袋を松浦に差し出した。 「まんぼう?まんぼうって……あ!」 受け取った松浦が紙袋の開いた隙間から覗きこんで声をあげた。 そして「お土産コーナー」と書かれた一角に急いで目を向け指差した。 「あれ?あの一番大きいの?うわぁ大きいよ」 「傷つけるなよ」 松浦は顔を宮倉に向けた。 「ぬいぐるみを傷つけたら中が出ちゃうよ」 キラキラと輝く目。気泡を湛えた水槽みたいだ。 ずっと見ていたかったがスマホが震えそれを取りだす。 ここに入場した時に設定したアラームだった。松浦に「そろそろイルカショーの時間だ」と告げ二人は並んで歩き始めた。 「こんなに大きい……どこに置こう?」 暫くぶつぶつ言っていた松浦は小さく「ありがとう」と言った。 どんな顔してるのか気になって横を見ると松浦はうつ向き加減でよく見えなかった。 でも耳が赤くなっているのは見えた。 「どういたしまして」 宮倉が言うと松浦は小さく頷いた。 End
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