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白井家にて……(閲覧ありがとうSS)
白井視点ー
「ちょっとは落ち着きなよ」
かわいいかわいい愛実を抱いた紗奈がソファから言った。
「いや、だって……二人で来るんだぞ、俺どんな顔してりゃいいのよ!」
「普通に出来ないなら出ていきな」
「さぁなぁちゃぁん」
愛実にちゅっとキスしながらそんな事を言う紗奈に恨みがましい視線を向ける。
真夏の休日。
可愛い我が子愛実は肌着だけで楽しそうに笑っている。
おとといの金曜日、飲もうぜ、って話になった。(強引に俺が決めた)
最近唯ちゃんと飲みに行く約束をすると奴(宮倉)が付いてきておや?と思っていた。唯ちゃん宮倉とはあまり上手くいってなかったから、漸く機能し始めたのかとホッとしたりもしていたのだが……
金曜日は宮倉が二日間出張の最終日だったんで今日は二人だなと確認して(子供自慢がしたかったから)誘ったんだが奴が途中店に現れた。
先約してたけどもっと遅いと思ってたから、と申し訳なさそうにいう唯ちゃんにその時既に話したい事全部吐き出した後だった俺は快諾したんだけど……
宮倉は唯ちゃんの隣に座ると仕事の話をし始めた。内容は誰が聞いても仕事の話なんだけど、宮倉の様子がおかしくて俺は首をひねった。
唯ちゃんをじとっと見ていたり髪触ったり……
いや、変だろ?って思って……
『お前ら付き合ってるみたい』
と、ほんの、軽い冗談で言ったら
『ええ、そうですよ』
と宮倉が初めて見る王子スマイル(女子社員が言ってた)を浮かべたのだ。
急いで唯ちゃんに目を遣ると紅潮した顔に困ったような八の字眉を貼り付けて俺と宮倉を交互に見ていて……
ああ、こりゃ冗談じゃねえなって思ったわけだが。
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