第1章

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向こうが動かないなら、ありがたい。このまま何もさせないで片づけたいものだ。 私は地面を思いっきり蹴って急加速する。それは常人のスピードではない。まあ、それは私が人間でないのだから当然なんだが。 黒い霧は反応して防御態勢をとる。このスピードに反応できるとは。やはりこいつは普通の奴よりはできるな。 「ふっ!!」 息をはきながら右左とパンチのラッシュを反撃の余地がないように叩き込んでいく。私の攻撃には一つ一つに衝撃波を出させている。防御していたとしてもダメージは貫通してるはずだ。事実、私のパンチが当たる度に黒い霧が霧散しているのがわかる。 「ガアアアアアア!!!!」 初めて黒い霧が咆哮を上げる。私のパンチの直撃を覚悟して防御をとき、反撃をしてきたのだ。その反撃を私は冷静に手の衝撃波ではじき、逆に私がカウンターのパンチを入れる。黒い霧は霧を霧散させながら吹っ飛んでいく。 「・・・圧倒的だ」 後ろの方で男子のつぶやきが聞こえた。
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