第1章

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かなり攻撃を入れたはずだ。もう消滅してもおかしくない頃だ。吹っ飛ばされた黒い霧を見ても、霧が端から霧散していくのが見える。消滅するのも時間の問題だ。 「グアオオオオオオオオオオオ!!!」 また咆哮をあげる。感情はないはずだが、気合を入れているのだろうか。 のんきに考えていると、黒い霧は膨張し出して形を変えていく。最後の力を振り絞ったという感じか。 みるみる形を変えていき、黒い霧は人型から大きな蜘蛛の形へと変わった。蜘蛛嫌いが見たら鳥肌が止まらない姿だろう。 「キシャアアアアアアア!!」 咆哮を上げながら見た目通りの突進をしてくる。八本の足をせわしなく動かしてる姿は蜘蛛嫌いでなくともおぞましいものがある。 私は両手のひらを大きい霧の蜘蛛に向ける。私に蜘蛛がぶつかる間際、蜘蛛は見えない壁に当たったように急激に止まった。身体は衝突した衝撃に耐えられなかったのか霧が霧散していく。
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