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「ありがとう。助かったわ。あの子は貴重な戦力としてだけでなく、個人的な友達としても大事だから」
「助けたのは俺じゃないけどな・・・」
あの戦いの後、おそらく医療班と思われる人物に私たちはこの研究施設のような場所に連れてこられた。少女は他の部屋で治療を受けているらしい。目の前のもう一人の少女の話によれば無事なようだ。
「助けたのは君じゃなくとも、その力は君のものよ。そこにいる人間型を具現化できるのは君しかいないから」
「は、はぁ・・・」
いまいち、男子は会話の趣旨を理解できていないようだ。かくいう私も敵が何者で、今の私が何者なのかくらいしかわからないが。
「君は大事な人間型を扱う能力者だから。私が教えられることはすべて教えてあげるよ。その後で仲間になってくれると私は嬉しい」
不思議そうな表情を浮かべる男子に救いの手を差し伸べる少女。確かにこの短時間で普通とはかけはなれたことを経験しすぎて置いてかれるのも無理はない。
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