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「おい、右だ」
「おっ・・けっ!!」
私の目の前で男が戦っている。いや、男子と言った方が正しいかもしれない。私の指示で避ける男子はそれだけで精一杯なように見える。戦ってる相手は人ではない。基本人型だが、腕が伸びたり、昆虫の足のように鋭くなったりと黒い霧が自由自在に形を変えていく。まるで悪霊みたいだ。
「お前弱いな。このままだと死ぬぞ」
「話し・・・かけんな!!」
私の前で戦っている男子は着々と追い詰められていく。所々切り傷が増えていて、痛々しそうだ。近くにいる私は何ともないんだけど。
「お前力使えないもんな。お前が死んでも私は何ともないし、お前がどうにかするしかないぞ。左だ」
「わかっ・・・てるよ!!」
語気を荒げながら答えるも、私の指示にはちゃんと従う。従わないと串刺しだからな。当然だ。
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