第2章

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「ゆゆゆゆゆゆゆ、幽霊!?」 「あら~?朝っぱらから幽霊なんて、ノゾミちゃんも面白いことを言うのね~」 顔面蒼白にして驚く少女とは対照的に、おっとりとした特徴的な声で話す女性。なんとも言い難いギャップだ。 どうやら母親の方は私が見えていないようだ。今までの私の経験上、一般人には私の姿は見えないはず。つまり、この母親の反応が正常なのだ。このノゾミという少女はもしや能力者なのか? もしそうだとしたらここまで驚くだろうか。人間型のゴーストが少ないと言っても、他の動物でも幽霊は幽霊だ。流石にここまでビビることはないと思う。 「みみみっ、見えないんですか!?そこにぷかぷか浮いてますよ!?」 「いるのかもしれないけど、私には見えないわね~」 この母親は見えてたとしても驚かないのではないだろうか。図太い。しかし、これは何か話しかけたほうがいいのか?見えてない人間には私の声は聞こえない。ただ見えてる人間には聞こえるはずだ。 どうしたものか。無駄に混乱を招きたくはない。だが、説明するのもめんどくさい。
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