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「で、でも、それじゃ・・・」
「わたしのことは気にしないでいいから!今は君の命が一番大事なの!それに、ここに居られても足手まといなだけ!」
なかなか逃げずに食い下がってくる男子に、少女は余裕のない声で再度逃げる趣旨を伝える。しかし、後ろめたさがあるのかある程度距離を取ったところで男子は動きを止めて少女の戦いの行方を見ようとしてしまった。
「うっ・・・!こいつ、強い・・・!」
少女はヒットアンドウェイ戦法で拳銃を撃ったら、相手の攻撃に備えて避ける。そしてまた撃つを繰り返していた。時たまキツネも相手のかく乱に参加する。しかし、トリッキーな動きをする黒い霧の攻撃についていけず、男子の時ほどではないが少しずつ少女は傷を負わされていた。
それに引き換え少女の弾丸をくらっているのにも関わらず黒い霧は消滅する素振りを見せない。これでは先に少女が力尽きてしまうのは明らかだった。
この少女の戦いを無駄にしないためにも、今この場で傍観している男子には逃げることをおすすめしたいが、この男子もまた逃げる素振りを見せない。逃げろというのはこの黒い霧に出会った当初から言っている。ただ、この周りに悪影響を与えるとわかっていて、逃げるというのはこの偽善者男子には無理なようだ。
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