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「もう、これしかないっ!」
追い詰めに追い詰められた少女は最終手段と言わんばかりに気合を入れて、技を出そうとする。敵の攻撃を避けながら、キツネと二挺の内の片方を融合させる。キツネはもちろん本物ではない。いわば、幽体のようなものなのだ。だから、主人の意思通りに操ることができる。一応、そのキツネとかにも意思はあるけど。
途中途中で危ない攻撃もあったが、キツネと拳銃の融合が完全に終わる。見事にキツネは同化していた。顔が銃口辺りに割り当てられるのか。なんかかっこいい。
「これ使ったら数日間はわたしのキツネちゃん出せなくなるんだから!ちゃんとやられてよね!!」
そう言って勢いよく放たれた弾丸は軌道上にも光を残し、まるでレーザーのように突き進む。黒い霧に着弾したかと思うと、物凄い音をたてて光の爆発を起こした。特殊な攻撃だからか、爆発により地面が抉れることは無く、衝撃だけが伝わってくる。
光の爆発がおさまるとそこにはきれいさっぱり、跡形もなく何もなくなっていた。
「す、すげえ」
「ふう・・・。あれ?まだいたの?」
少女はこちらの存在に気付いたようで、振り返る。その後ろでは黒い影が微かに動くのが見えた。
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