14人が本棚に入れています
本棚に追加
「後ろ!」
「えっ!?」
男子の声に少女は咄嗟に動いて何とか攻撃を避け、致命傷は免れた。
「ぐっ・・・!」
しかし脇腹にかなり深い傷を負ってしまい、痛々しく血が流れ出ている。これでは到底戦闘は不可能だろう。キツネも出せなくなると言っていたし、結局死ぬのは時間の問題か。
「逃げてっ!わたしはいいから!」
「そ、そんなのできるわけねえだろ!」
深手を負って横たわる少女をかばうように男子が間に入る。そういう男子も傷はあって、見るからに二人は満身創痍だ。その二人を見ていることしかできない私。流石にもう無理か。助けが来たときはどうにかなるかもと期待したが都合が良すぎた。
二人の死を見届けて私は次の宿主を探すだけだ。次に見つかるのはいつになるのやら。
最初のコメントを投稿しよう!