第1章

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「後ろ!」 「えっ!?」 男子の声に少女は咄嗟に動いて何とか攻撃を避け、致命傷は免れた。 「ぐっ・・・!」 しかし脇腹にかなり深い傷を負ってしまい、痛々しく血が流れ出ている。これでは到底戦闘は不可能だろう。キツネも出せなくなると言っていたし、結局死ぬのは時間の問題か。 「逃げてっ!わたしはいいから!」 「そ、そんなのできるわけねえだろ!」 深手を負って横たわる少女をかばうように男子が間に入る。そういう男子も傷はあって、見るからに二人は満身創痍だ。その二人を見ていることしかできない私。流石にもう無理か。助けが来たときはどうにかなるかもと期待したが都合が良すぎた。 二人の死を見届けて私は次の宿主を探すだけだ。次に見つかるのはいつになるのやら。
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