第1章

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満身創痍の二人を見ても黒い霧は戦いをやめるつもりは無いようだ。まあ、感情というものが無いからな。見逃すということはありえない。 「死ねるかよ・・・!こんなところで、死んでたまるかよおおお!!!」 じりじり近づいてくる黒い霧に、恐怖が頂点まで達したのか男子が絶叫する。すると、ご都合主義は存在したようで、男子の左手首辺りにまかれていた数珠みたいなものが光り出す。 「ほう。その手首に巻いているものがトリガーか。このタイミングで発動するのは偶然か必然か・・・。まあよい。お前の気持ちに応えてやるぞ」 数珠みたいなものが輝き出すのと同時に私の身体も輝きだす。やっと、やっとこれで助けることができる。 今まで透明だった私の身体が実体を持ち出す。色を持ち出す。宙に浮いていた身体が重力に引かれて地面に二本足で立つ。久々の感覚だが、問題は無い。戦える。力がみなぎってくるのと同時に、自信もみなぎってくる。 私という唐突に現れた脅威を真っ先に削除しようと早速黒い霧が私を攻撃してくる。
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