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私はその攻撃を手で払う動作をする。すると、黒い霧の攻撃は見えない衝撃にはじかれた。これが私の力だ。実際は線が細く見える身体でもこの力のおかげで私は考えられないような力を出すことができる。
「こ、これが、俺の人間型・・・」
「意外か?幽体の時では透明でうまく全容を把握できないからな」
私の姿を見て驚く男子。無理もない。こんな話し方で、実際現れたのがこんな小柄な少女だったら驚くに決まってる。
「い、いや、綺麗だよ。その白っぽい髪とか」
「そうか。ほめる暇があるなら私の足を引っ張らないように、そこの少女を連れてどこかに隠れるんだな」
私の髪は白というよりは薄い水色をしている。伸びた髪はうっとうしいがこの身体になってからは切れないので仕方がない。戦闘にも差支えがないのでそこまで気にすることでもないだろう。
男子と少女が離れるのを確認すると、黒い霧と面と向かって対峙する。感情は無いが、得体の知れない相手を警戒する知識は擁しているようだ。こちらの出方をうかがっている。
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